Tree of Savior

マガジン

女神ライマが定めた首都はまさに繁栄の象徴であった。

賢明な国王の統治と女神の恵みに守られた国民たちは、
何一つ不満のない幸せな暮らしを満喫していた。

毎年、豊作を願って大地の女神ジェミナは国中に
祝福を与えた。

炎の女神ガビヤは人々が安らぎのある家で暮らし、
温かい食べ物を食べられるように火の使い方を教えた。

旅人たちは女神ヴァカリネの星を見て自らの位置を知り、
霊魂たちは女神アウシュリネに導かれ、安らかに永眠する。

女神はいつも人々と共にあった。

だが、いつからか女神たちは一人、また一人と
人々の祈りに応えなくなっていった。

人々はすぐに女神たちが戻るだろうと楽観していたが…
それこそが予兆だったのかもしれない。

ある日、首都の中央に生えていた神樹が突然天を突くほどに
巨大化し、暴走を始めた。

首都は何の手立てを講じる間もなく一瞬で破壊され、
多くの人々が愛する者の死に涙を流した。

目の前で起きている災いから逃れるため
首都の外に駆け出した者もいたが、
災いは逃げたからといって逃れられるものではなかった。

逃げ出した人々が目にした光景は、実に凄惨なものだった。

うっそうと茂っていた一抱えもある木や、
隙間なく咲き誇っていた花々がモンスターと化し、
人々を飲み込み始めたのだ。

すべての森と大地が悪夢と化した。 
そうして首都は滅亡し、そのあまりにも大きな余波は
多くの都市にも災いをもたらした。

神樹の日。

それから4年という月日が経ったが、
あの日のことを記憶から消せた者は一人もいない。

モンスターは今も凶暴で、
破壊された都市は復興の見通しも立っていなかった。

女神たちもまた、姿を消したまま。

4年という時間は…
あの日の傷を癒すにはあまりにも短かった。

だが、どうにかして以前の生活を取り戻そうと、
人々は闇に沈んだ現実と戦っていた。

人々が絶望の底で足掻いていたある日。
王国のあちこちから女神の夢を見たという者たちが
クラペダへ集まって来た。

それは女神たちが戻る予兆なのだろうか。
それとも、新たな災いの始まりだろうか。

その答えを知る者は、まだ誰もいない。

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